Cynefin フレームワーク
https://gyazo.com/8a720f5632d1cad327d78328720074e5
ある特定の課題や問題はその性質によって5つの領域のいずれかに分類されるというフレームワーク
分類
Simple
誰が作業しても同一の結果と同一のプロセスになるようなもの。
単純作業などはここに該当する。
Chaotic
災害など再現性のない事象で解決策にも再現性がないような問題。
Complicated
問題の解決には、専門性が必要なものの組織の中で最良の結果を導くことができるようなもの。
Complex
問題の解決に専門性が必要かつ結果についても実験を行うことでしか最良の結果を得られないもの。
Disordered
複数の問題領域にまたがった問題を扱っている可能性が高く問題を分割すべき領域。
ソフトウェア開発における解釈
Complicated の領域は、問題の全体像、質問すべき内容、そして答えを得る方法はわかっている状態である。
しかし因果関係は入り組んでいて専門知識を必要とする領域であり、簡単なわけではないということに注意する。
要するにあくまでも答えを自分たちで導くことができる問題領域のことである。
Complicated はウォーターフォールや昔ながら業務システム系の開発が相手にしていた世界である。
複雑ではあるものの、あるゴールに向かってシステムを作り上げていく世界。
Complex の領域は、Complicated とは対照的に、質問すべき内容が全てわかっているわけではない。
事前にどれだけ分析を行ったとしても問題は解決せず、解決策に向かって前進するには実験が必要な領域である。
要するに、答えを自分たちだけで導くことはできず第三者 (アプリケーションやサービスの場合には、概ねユーザー) を巻き込んだ問題解決が必要な問題領域のことである。
Complex はその説明の通りアジャイルの世界が相手にしている領域であることがわかる。
この第三者を巻き込んだ問題解決のために、Lean やスクラムなど不確実性や変化する環境に素早く適用するためのフレームワークや方法論が提案されてきたと想像している。
https://youtu.be/HVx_jIBqumc
2017年から見たCynefinフレームワークで考えるアジャイルの未来の話も面白かった。
おおよそこういう発表だった
スクラムはComplicatedにかなり近いComplexな問題を扱うことができる(一定の予測や計測に基づく行動を段階的に踏んでいくため)一方で真にComplexな問題の解き方がまだ確立されていないという感じの発表だった。
参考文献
Kurtz, C.F, and D.J. Snowden. 2003, The new dynamics of strategy: Sense-making in a complex and complicated world. IBM Systems Journal. 2003, Vol. 42, 3.
Snowden, David J. and Mary E. Boone. 2007. A Leader’s Framework for Decision Making. Harvard Business Review. November 2007.